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犬と猫の健康コラム

犬や猫にも「冬太り」はある!?フードと運動で体重を維持して健康に

コロナ禍の今冬は忘年会や新年会も自粛傾向にありますが、それでも「宴会も少ないのに、ちょっと太った気がする。お正月に食べ過ぎてしまったのかな……?」という方も多いのではないでしょうか。
 
そもそも、体重の増減はなぜ起こるのでしょう?
 
摂取カロリーが消費カロリーを上回れば体重が増え、消費カロリーが摂取カロリーを上回れば減る、というのが基本的な理屈です。お正月にお雑煮やお節を食べ、暖かい部屋でテレビを観て過ごしていたのなら、体重増加もいたしかたなし、と思えるかもしれませんが、「それほどたくさん食べていないのに、太ってしまった」ということも起こります。それが、寒い時期に太る、いわゆる「冬太り」です。
 
体重の増加は、摂取カロリーが消費カロリーよりも多いことで起こりますから、いつもと同じものを食べていて摂取カロリーが変わらなかったとしても、運動量や代謝が減って消費カロリーが少なくなれば、それだけで太ってしまうのです。
 
これは、人間だけでなく犬や猫も同じ。冬になって外に出る機会が減ったり、散歩の距離が短くなったり、室内でも運動量が減ったりすれば、食事の内容が同じでも体重は増加しますし、加齢によって基礎代謝が低下してきた場合も太りやすくなっていきます。
 
しかも、わたしたち人間や犬、猫のように、周囲の温度に関わらず常にほぼ一定の体温を保つ体温調節能力を持つ「恒温動物」には、そもそも冬に脂肪を蓄えようとする本能が備わっています。なぜなら、温度が低い環境のなかで体温を一定に保つためにはより多くのエネルギーが必要になりますし、寒さをしのぐためにも皮下脂肪が必要だからです。
 
温度変化の少ない室内で生活をしていても、生まれながらにして持っているからだのしくみが一気に変わることはありません。秋になれば食欲が増し、冬に向けて脂肪を蓄えようとします。長い年月をかけて進化してきたなかで備わった「秋から冬にかけて食欲が旺盛になり脂肪を蓄える」というからだのしくみが、現代の暮らしのなかでは冬太りの原因のひとつにもなっているのです。
 
愛犬・愛猫が少しくらい太っても、病気になったわけではないから問題はないと思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに少し太ったくらいでは病気ではありませんが、太り気味になると寿命が短くなることが報告されていますので、病気ではなくても、真に健康な状態とも言えません。
 
愛犬、愛猫のために飼い主さんができるのは、食事の量をコントロールすると同時に、必要な栄養素が不足しないよう栄養バランスがしっかり計算されたフードを選ぶこと、散歩に出かけたり、室内でも遊んだり動いたりしやすい環境をつくったりして運動量を確保すること。体温を維持するために多くのエネルギーを必要とする冬は、じつは痩せやすい時期でもあります。犬も猫も人間も、冬太りを克服して健康なからだをつくっていきましょう。
 
そして、1年に2回、動物病院で健康状態をチェックしてもらって、愛犬・愛猫の“真の健康”を維持してあげましょう!

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