これらの行動や仕草が見られたら、病気の可能性があります。一つでも思い当たるものがあれば、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
□散歩中も家にいるときも、周囲のにおいをしきりに嗅いでいる
□壁伝いに歩くことが多くなった気がする
□あまり動かなくなった
□顔を触ると嫌がる・あるいは自分で、顔を気にしているように頻繁に触っている
□性格が変わったような気がする
□涙や目ヤニが多い
解説:
これらは、眼に異常がある時、あるいは視力が低下もしくは無くなっているときに見られることがある行動の変化です。
視力が低下したために、それを嗅覚で補おうとしていたり、壁伝いに歩くといった行動が見られることもあります。見えないために動くことを控えている場合もあります。
目に違和感や痛みがあるために、触られることを嫌がったり、あるいは自分でしきりに目の辺りを触ることもあります。
同じ理由から、性格が変わったように感じられることもあるかもしれません。
病名としては、緑内障や白内障などが挙げられます。その他、発生頻度はやや下がりますが、網膜剥離や網膜変性などもあります。網膜剥離はシー・ズーやトイ・プードルなどが、進行性網膜萎縮はミニチュア・ダックスフンドやトイ・プードルなどが好発犬種にあげられています。
あるいは、まぶしがる仕草をよく見せるようになったときは、ブドウ膜炎や角膜潰瘍などの病気の可能性もあります。こちらは、眼は見えていますが早めに動物病院で獣医師の診察を受けましょう。早期からの治療が大切です。進行したブドウ膜炎から、緑内障や白内障、網膜剥離などに進行することもあります。
行動が変わったと感じることがあれば、早め早めからの動物病院受診を心がけましょう。
ロイヤルカナンジャポン 獣医師 北中 卓